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扱量の21%、出入りする船舶数の12%を担っている。カナダ東部では6番目に船の出入港の激しいセントローレンスリバー港(ケベックとモントリオールにまたがる)は、取扱貨物量25%、船舶数9%を占め、五大湖にある15ヵ所の港湾では貨物量15%、船舶数14%を占めている。

 

五大湖は1954年に開門されたセントローレンス水路で大西洋とつながっている。1995年には合計3,868隻の商船が4800万トンの貨物をこの水路から運搬している。

 

五大湖のなかでも最大の貨物量を取り扱うカナダ側の港湾には、オンタリオ湖のハミルトン港とスペリオル湖のサンダーベイ港があげられ、それぞれ年間約1,200万トン分の出入りがある。キングストンの小さな港やオンタリオ湖の東端にあたるガナノークは船の出入りが最大の港で、主にレーク・クルージング用の船やフェリーの交通量が多い。オンタリオ湖のもうひとつの港、トロント港は100万トンをわずかに越える貨物と344隻の船舶の出入港があるものの、この水路の利用量は少ない。

 

過去20年間から30年間に渡って、カナダの港湾当局はウォーターフロント開発に際して日本の港湾管理当局が採ったような先導的役割は果たしていなかった。政府はそうした役割を、代わりに特殊目的開発公社に割り当てることが多かった。

 

主な例をあげると、ハリファクス(ハリファクスーダートマスウォーターフロント開発公社)、セントジョン(マーケットスクエア開発公社)、ケベックシティー(ケベックビューポール公社)、モントリオール(モントリオールビューポール公社)、トロント(ハーバーフロント公社)、バンクーバー(グランビルアイランドトラスト)などがある。

 

モントリオール博覧会’67とバンクーバー博覧会’86の場合は、国際博覧会当局の後援により開催された国際博覧会として、ウォーターフロント開発への注目を集め、はずみをつけた。

 

3 日本とカナダにおけるウォーターフロント開発
3a 組織の代替案

 

1996年11月、神戸と東京でWAVEによる国際シンポジウムが開催されたが、ここではウォーターフロント開発または再開発をもたらす手段として政府ないしは共同体が採用しうる組織形態を、港湾当局から市町の担当部課、開発公社から民間企業に至るまで例示することに重点が置かれた。

 

 

 

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